【ハイエースの天井の熱対策・音対策 徹底解説】ルーフデッドニングとは?制振とは?&断熱とは?天井の防音・断熱と効果の解説

天井デッドニング 断熱・遮熱・制振・吸音 DIY
天井デッドニング 断熱・遮熱・制振・吸音

こんにちはhiace.funのシタラです。

ハイエースを車中泊仕様にしたり、騒音を少しでも軽減したい。
そういう人が最初にやるのが

天井の①音対策・②熱対策

ではないでしょうか

天井は、車の中でも一番面積が大きい部分ですし、一番太陽にさらされている部分です。
制振や断熱では一番効果がある部分だと思いますので、DIYによる施工の1歩目としておすすめです。

一言に天井の熱対策や断熱といっても色々な対策&効果があります。
今回は、ハイエースを快適にするためにやらなければいけない対策を解説します。

音対策と熱対策

ハイエース快適化の対策として音対策と熱対策があります。
つまり、

①音対策:静かな車内
②熱対策:夏は涼しく、冬は暖かく

を狙うための作業です。

以下、対策したい内容によって対策方法も変わってきます。
完璧に作り上げたい人は、全部やってもいいですし、必要な対策だけ実施してもいいです。

よくキャンピングカーのビルダーさんのページには「全部やらないと意味がない」といった趣旨の記載もありますが、必ずしも全部やらなければ意味がないということはありません。
(キャンピングカーを販売しているビルダーさんのコメントはあくまでも「売り物」としての見解で、DIYであれば皆さんが必要なものだけやれば問題ありません。)

①音対策(防音)

音対策のこと総じてデッドニング(Deadening)といいます。
また、一般に使われる「防音」という言葉は音対策の総称であり、防音対策をもう少し細かく分けると

  • 制振・防振
  • 吸音
  • 遮音

の大きく3つがあります。
ただし、「遮音」のための定番素材は「鉄板」であり、天井は鉄素材=遮音素材でできています。さらに追加するにしても、「遮音材」については、コンクリートや鉛シートなど重いものが多く、ルーフデッドニングで施工されている事例は多くありません。

この記事では「制振・防振」と「吸音」の2つをご紹介します

②熱対策

熱対策には

  • 断熱
  • 遮熱

の2つがあります。

断熱は、車内の「クーラーで冷えた空気・暖房で温まった空気」を外に出さないための処理です。
遮熱は、車外の熱を車内に入れないための処理で、太陽熱をはね返す為の処理です。

【音対策①】制振・防振

  • 制振・防振とは:ボディの振動を抑え、車内の静穏性を確保すること
  • 制振・防振対策:制振材をボディに貼る

音対策①-1:制振・防振とは

まず、定番の対策として「制振・防振」があげられます。
この、「制振・防振」加工をすることによって、車のボディの振動や音の反響を抑えることができ、車内を静かにすることができます。

特にハイエースは、ボディサイズが大きいので、ボディの反響が大きい車です。

試しに、ボディをデコピンの要領でコンコンと叩いてみてください。
パァ~ンと音が響き渡ることがわかると思います。これを抑えるのが制振・防振です

走行中のエンジンによる振動やその反響、また特に天井は、雨の日の雨音が車内に伝わるのを抑えることができます。

音対策①-2:制振・防振対策

制振・防振対策の定番としては、制振材をボディに貼ることです。

制振材の定番としては、「レアルシルト」や「レジェトレックス」という素材があります。
ほかのブランドや、Amazonには多くの中華素材などがありますが、DIYの定番として、まずこの2つの素材を検討するのが無難です。

音対策①-3:制振材

制振材:1 レアルシルト

積水化学工業が製造する、車用の制振材です
高性能で、高温状態でも効果を発揮する素材です。
半面レジェトレックスより価格が高いデメリットがあります。

貼る量にもよりますが、天井施工の場合、20,000円~25,000円程度が目安です

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制振材2: レジェトレックス

日東電工が製造する制振材です。
制振材としては定番のブチルゴムを利用した制振材で、レアルシルトと比べて価格が安いのがメリットです。一方、高温状態では効果が減少する特性があります。

貼る量にもよりますが、天井施工の場合、4,000円~6,000円が目安です

特に天井は高温状態になりやすいので、天井だけレアルシルトを使う方も多いです。

かく言う私の愛車「エースさん」も天井のみレアルシルトを貼り付け、側面・床面はレジェトレックスにすることで、効果と費用のバランスをとっています。

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【音対策②】吸音

  • 吸音とは:音を吸収することで外部の音の侵入を防いだり、室内の音の反射を抑える
  • 吸音対策:吸音材を入れる

音対策②-1:吸音とは

制振でボディの振動を抑えても、外からの音は聞こえてきます。
また、車内の音もそのままでは反響して響いています。
それを抑えるのが防音処理が、「吸音」になります。

音対策②-2:吸音対策

吸音対策としては、吸音材を天井(鉄板)と、ルーフライニング天井カバー)の間に入れることになります

吸音材は、細かい空気穴がある繊維質な素材やスポンジ状の素材で、その中に音が入りそれらの細かい素材を振動させることによって吸音する原理です。

音対策②-2:吸音材

吸音材は、以下に記述する「断熱材」と併用できる場合が多いです。

素材については、断熱材と合わせて紹介します。


【熱対策①】断熱

熱対策①-1:断熱とは

  • 断熱とは:外気温の伝わりを断つ(夏は涼しく、冬は暖かくを実現する)
  • 断熱対策:断熱材を入れる

つまり、室内の空気と室外の空気を交わらなくする。空気に対する仕切りを作るのが断熱になります。

熱対策①-2:空気は最高の断熱素材

熱の伝わりやすさを測る指標として熱伝導率という指標があります。
空気の熱伝導率は「0.02W/m・K」です。

それに対して、グラスウールは約0.04W/m・K、スタイロフォームは約0.03W/m・Kといずれの断熱材も空気よりも熱が伝わりやすい数値になっています。

じゃあ、何もしなくてもいいじゃん?となりますがそうはいきません。
空気の熱伝導率は、あくまでも「空気がその場で動かない」状態での数値です。

当然ですが、実際は空気は動きます。空気自体は「温まりにくい・冷えにくい」のですが、「既に温まった空気・既に冷えた空気」が動いて部屋に入ってきたら意味がありません。

断熱材とは、「いかに空気がその場にとどまる状態を作るか」という素材になります。

なので、たまに「断熱材を徹底的に詰め込めば詰め込むほど断熱効果が上がる」と考えている人がいますが、これは大きな間違いですのでご注意ください



加えて、その「空気の層」が連続してつながっている素材を「連続気泡体」といい、
これらは、「断熱効果に加えて、吸音効果」も発揮します。

一方で、「空気の層」が独立している素材を「独立気泡体」といい、
こちらは、「断熱効果は高いですが、吸音効果は限られます」

  • 防音性能 :  連続気泡体>独立気泡体
  • 断熱性能 :  独立気泡体>連続気泡体
  • 連続気泡体
    グラスウール・シンサレート・パーフェクトバリア
  • 独立気泡体
    スタイロフォーム・ペフ

断熱・吸音材①:グラスウール (連続気泡体)

住宅建材の定番で、住宅の壁にも入っている素材です。たいていのホームセンターで入手可能です。

様々なメーカーが発売しており、メーカーにより「アクリア」「マットエース」など商品名が異なります。

  • メリット①安い。天井断熱では8枚入り程度が必要ですが、5,600円程度です。
  • デメリット①施工性が悪い
    ふわふわしたクッションを天井にはる。あるいはルーフの間に入れるは結構大変です
  • デメリット②施工時にチクチクする。
    ガラス繊維なので施工時にチクチクします。また施工に失敗するとカビが生える
旭ファイバーグラス アクリアマット(ACM) 密度高性能10k熱抵抗値1.2 厚さ50ミリ幅430ミリ長さ2880ミリ8枚入 品番00111144 施工面積約3.1坪 法人限定販売 10梱以上は送料無料

断熱・吸音材②:シンサレート(連続気泡体)

3Mが発売している、高性能吸音・断熱材です。
価格は非常に効果ですが、性能は高いです

  • メリット①施工性が高い
    スプレーのりがあらかじめ吹き付けられているものがあります
  • デメリット①高い
    スプレーのり付きのものが152cm x 5mのもので11,000円程度です
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断熱・吸音材③:パーフェクトバリア(連続気泡体)

エンデバーハウスが発売するポリエステル製の断熱材です。
こちらもシンサレート並みに高性能で、価格もシンサレートと近い値段です

また様々な厚みが販売されており、自分に合った内容に調節が可能です

一方でシンサレートよりは一般的に厚く、スプレーのり付きタイプのないので天井への施工性はあまりよくありません。(壁には最高)

  • メリット①厚みが選べる
  • デメリット①高い
    厚み30cmのもので263mm x 910mmが36枚入りで11,000円程度です

断熱・吸音材④:スタイロフォーム(独立気泡体)

まず、ホームセンターでも入手が容易なスタイロフォームです。
天井断熱には20mm厚が適しています。

スタイロフォームは、安く入手性が高いというメリットがある反面、
単なる発泡スチロール板ですので柔軟性がなく施工性が悪いというデメリットがあります。
様々な厚みが販売されていますが、天井では20mm厚が

  • メリット
    安い 20mm 910mmx1820mmで800円程度で、天井には3~4枚必要です。
    つまり3200円程度になります
  • デメリット
    硬い板のため施工性が悪い

【熱対策②】遮熱

熱対策②-遮熱とは

  • 遮熱とは:太陽の光からの熱を遮る
  • 遮熱対策:光をはね返す素材を貼る

断熱が、空気からの熱を遮ることを目的としたことに対して、遮熱は太陽光からの熱を遮ることを目的としています。太陽光には電磁波が含まれており、電磁波が物体にぶつかると、その物体は熱くなります。これらのことを輻射熱といいます

  • 同じ気温の場所でも「日なた」より「日陰」のほうが涼しく感じる。
  • 気温が40度でもマンホールや車のボディはめちゃくちゃ熱い
    これらはすべて太陽光による輻射熱が原因です。

熱対策②-遮熱対策とは

電磁波を通しづらい「アルミシート」を貼るが一般的な遮熱対策になります。
遮熱を目的に作られたアルミシートもありますし、よくキャンプに使う「アルミマット」や、「アルミテープ」でも代用可能です。

ただし、キャンプ用のアルミマットは「アルミ蒸着」という方法で作られており、アルミを加熱蒸発させてそれを付けるような形で生成されており、実際には「アルミ箔」ではなく「アルミの細かい粒子多ついている」=「実際には細かい隙間がいっぱい空いている」状態になりますので、
「アルミマット」による遮熱対策の効果は、純粋なアルミ素材より劣ります。

遮熱材①:ジーエス GSメタルシート

遮熱&断熱を目的に作られた住宅用建材です。
非常に高い効果が見込めますが、住宅用の為最小販売単位が30mと車用としては多すぎる量しか購入できないのが難点です

遮熱材②:アルミシート

断熱材としても利用例が多くみられるアルミシートです。
キャンプ用として、ホームセンターなどで容易に手に入り価格も安いことがメリットです。
一方で、遮熱効果は見込めますが、上記の通りアルミシートは厳密には「アルミの面」ではなくアルミ蒸着により「アルミのつぶつぶがついている」状態なので、完全なアルミ素材にくらべ遮熱効果は劣る可能性が高いです。

ユーザー アルミロールマット 60x180cm

遮熱材③:アルミテープ

安くアルミの面を天井に作るのであればアルミテープが一番お手軽です。遮熱用ではないので効果は遮熱材に劣りますが、確実にアルミのを層を作ることができます。
また、「テープ」なので天井への施工性もよいのがメリットです

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